最近、ある主婦さん(Yさん)がこんな話をしていました。
「修羅場を乗り越える力はついてきた!でも、それって乗り越えなきゃいけなかったのかな⁈」って。
どういうことかと尋ねてみると、離婚をしたくても離婚できずに数十年過ごしているとのこと。世の中で「離婚」をしたと聞くと、どこか羨ましくもあり、尊敬すら覚えるのだそうです。私は、Yさんは、本当は「離婚」はしたくないのではないかと考えました。
しかしYさんは、勇気がないだけ…とうつむきます。
ここまでYさんを悩ませる理由がなんなのか聞いてみました。
離婚とは
離婚(りこん)とは、婚姻関係にある生存中の当事者同士が、有効に成立した婚姻を婚姻後に生じた事情を理由として将来に向かって解消することをいう。
wikipedia
ご縁があって夫婦となった2人ですが、どこかで歯車が狂ってしまううと、一緒に将来に向かって進んでいくことはできなくなってしまいます。
例えば、どんなことが”離婚”の理由となっているのでしょうか。
離婚の理由
- 浮気・不倫(不貞行為)
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないこと
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由
離婚の理由は、上記のような理由があれば認められるようです。
Yさんは、人の”離婚する理由が気になる”と言います。例えば、浮気が原因で離婚した夫婦がいると、「浮気だけで⁈」と言います。
また、「子どもがいるのに、働きもせず酒ばかり飲むようになった」と離婚をした夫婦がいると、「だったら自分が働けばいいんじゃない?」と、なぜか無駄にポジティブな思考の持ち主でした。
…なら、どうして「離婚をしたい」と言うのか、本位がわかりません。
ある程度の修羅場を乗り越えてきたからこそ、その思考がうまれるのだと思います。
一番辛い修羅場
もともと酒乱だったというYさんの夫は、その酒癖の悪さを隠していたという。いまだからこそ、酒乱だと言えるが、当時は若かったこともあり恐怖でなにもできず従うしかなかったと言います。
昔ながらの古風な家柄で、大切に育てられたにも関わらず、ダメなことを家中で蓋をして隠してきたのではないかと思うくらいの、ダメ人間だったそうです。
- 女癖の悪さ
- 異常な性行為
- 暴力
- 借金
- 酒癖の悪さ
若くしてこれだけのことを兼ね備えている人と過ごしてきたそうです。
一度、同居で住んでいたYさんですが、数年すると病気を引き起こすようになりました。
- 帯状疱疹
- 無月経
- 円形脱毛症(髪の毛が半分抜け落ちた)
- 強迫観念
住んでいる人にも会うのが怖くなり、同居することが難しくなり実家へ帰ると「死にたい」とずっと思うようになっていたそうです。小さい子どもがいるにもかかわらず、暗い部屋で布団からでることもできず、ただただ自分の母親に迷惑をかけたと話していました。
Yさんの母親は、自分の持ち前の性格をフルに使い明るく気上にふるまってくれたおかげで、子どもも自分も元気に過ごせるようになったんだと言います。
それでもYさんの夫は、お酒に飲まれる生活を数十年送っていました。もちろんその中でYさんは、「離婚届」を突き付けて家を出たことも何回もあるそうです。それでも戻ってしまうのは、「2人の問題なのに、子どもから父親を奪ってよいのか?」と思ってしまうからだそうです。
だからYさんは、お酒を飲んでは暴れ、恐怖しかない家で、数十年耐え続けていました。
子どもたちにもこんな環境は良くないと思うのですが、Yさんに暴力をふるっても、子どもたちには危害はなく良い父親であることが離婚にいたらない理由だと言います。また、ここ最近では夫の実家でも息子の酒癖が悪いことを目の当たりにし、Yさんの絶対の味方であることが救いだと言います。
そんな矢先、一番の修羅場が訪れました。
ある時、自分でもどうもできなかったようで、お酒を飲んでは暴れ、いつもと違う様子が続いていたそうです。そんな中「もう、お酒やめてよ!」と言った一言に、とうとう夫はキレたと言います。夜中に顔をくっつけて大声で怒鳴りつけ、罵倒し続けたとのことです。この時は、「あっ、とうとう自分は殺されるのだ!」とYさんは思ったほど、恐怖を感じたと言います。
それでもYさんは、「殺人犯の息子、娘になるのかな?ごめんねもうどうにもできない」と子どもへの詫びと心配をしながら、ただただ耐え続けていたそうです。そして、子どもたちを別の部屋へ避難させたあと、Yさんは、とうとう「今までで一番の暴行」をされてしまったそうです。
修羅場のあとの変化
Yさんの夫は、大暴れしたあと仕事のため、少しの睡眠をとって仕事へ向かったそうです。そのあと、自分のしたことを完璧には思い出せないものの、「昨日はとても大変なことをした、悪かった」とYさんへ言ったそうです。
いまさら?はじめての謝罪、はじめての禁酒宣言…。
Yさんは、驚きを隠せず、半信半疑でしたが、その日から今日まで禁酒をしており、今までのことが無かったかのように、穏やかな生活を送れているということです。
決して許した訳ではないが、普通に共同生活を送っているそうです。
修羅場を乗り越える力はついてきた!でも、それって乗り越えなきゃいけなかったのかな⁈
結論から言えば、乗り越えなくても良かったでしょう、と私は思います。そう言ってしまえば、Yさんのしてきたことが否定されると思う人もいるかもしれませんが、決してそうではありません。ここまで頑張って子どもたちを育て、気丈に振舞っていたYさんを「よく無事でいることができた、生きていて本当に良かった」と心から思っています。
離婚する理由や原因に対する許容範囲は人それぞれです。実際に精神的苦痛をうけることに、誰も変わりはありません。Yさんのケースは、離婚ができるケースでした。しかし、この件で話し合うと機嫌を損ねてしまい、暴力や暴言をはき、きちんと話し合いすらすすめることができなかったのも、一つの離婚できなかった理由になります。
結局、何が正しいのかは人それぞれなので、今、幸せで後悔していなければ、それが正しい道だったのだと私は考えます。
ある程度の度胸と客観的思考を持つことができるようになったYさんは、まだ少し不安はあるものの、「これからまだまだ続く結婚生活をいかに楽しく暮らしていくか!」という身近でとても長い目標を持ち、楽しく過ごしています。
これは、「結果OK」というケースですが、何か辛いことがあったり悩んでいたりする人は、必ず誰かに相談してください。
あなたが声にだすことで何かが始まります。
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